海風の記憶、宮古島バイクツーリング

　親しい人からこの店を薦められた。確か＜美味しくてボリュームがある＞とか言っていた。
　宮古島のゲーム喫茶の食事は安くて美味しいのが普通だ。これはゲームする客へのサービスという初期投資の役割があるからだ。長期戦になれば腹が減る、食事が美味しくなくては客が逃げてしまうのだ。
　こうした店はどんなに感じよくても＜賭場＞の雰囲気をどこかに隠し持っている。＜YOU BOX＞のように完全にレストランとゲーム場を分離している所はまずない。そこでお互いが見てみぬ振りをするマナーが求められている。客同士はもちろんだが店と客の関係も相手を見ても見なくてもいけないのだ。
　こうした雰囲気の中で悠々と食事が出来るようになると本物の宮古人である。こうした店はゲームの他にも、借金の申し込み、返済延期のお願い、保証人の依頼、こんな秘密の話をするのには好都合だ。
　ついでに市税などの納付期限を延期をする方法を教えよう。病気で突然入院したことにして納めるべき税を使ってしまったと開き直る。これまで色々な言い訳（作り話）を試してきたがこの方法が一番効果がある。＜お代官様待っておくんなせぇ、あっしも払いたい気持ちは山々なんです～＞って人情時代劇の調子ですがるように徴税の担当者に頼むのだ。
　最後にこの店の料理の味のほうだが、この店を勧めてくれた人の話は二度と信じない、食事の店選びの話ではね。