海風の記憶、宮古島バイクツーリング

　この島で時間的には最も自由で経済的には最も不自由な友人と飲んでいると、モスウェルのウタちゃんが夜お手伝いをしている店があると聞いて早速その＜Japo＞というお店に突撃、謎の深海オクトパスか地中海の海坊主かと一瞬我が目を疑ったが、それはまぎれもなくこの店のオーナーであり、マスターであり、料理人であり、受付係りでもあり、呑んベィでもあった。
　こんな愉快なお店が繁華街の心臓部に存在するとはうかつにも知らなかった。オジサン向けの格好のお店だ。
　この店を出た後、ボックリーでクダを巻いていた頃になってこの店のオヤジが蛸壺に入るようにやって来たが、こちらはすでに泥酔状態で何一つ覚えていない、誰彼となく吠えていたようである。