宮古人の誇り<寿司の浅草>キョー兄ィ ①

キョー兄ィ

2015年05月18日 19:08

 歴史のある街は大抵どこもそうだが海岸や大きな河川沿いに成立する、その後初期の繁華街はやがて旧市街などと呼ばれるようになり新たな中心地はそこから内部に広がっていく。
 宮古島もこの例外ではない。航空機による輸送が無かった頃は島民のあらゆる生活物資は平良港から陸揚げされていたので、それらの商品が売られる近くの西里大通りや下里大通りには大小の商店がひしめくように軒を並べ、周辺の村落や離島からのお客さんで連日たいへんな人出だったらしい。
 らしいとは随分いい加減な言い方だが、もしその様子を私が克明に覚えているとなると私は百歳を超えてしまうかもしれないから残念ながら細かいことは伝えられない。物流が人力や馬力からトラックそして近年のコンテナ専用車と移り変わるにつれ街の中心地は海岸から離れてきた。
 寿司の浅草は以前は西里通り裏手の、車1台がやっと通れる幅の路地の両出入り口の中央に小さくどっか(?)と位置していた。そこは昔の繁華街の中心地ではあるが今では道が狭くてタクシーも拾えない不便さの中心地だ。
 そこで大将はようやく重い腰を上げ繁華街からは相当はなれた場所にある城辺線沿いに店を移転開業することにした。毎日コツコツが信条の大将にとっては人生最初で最後(?)の大勝負だ。移転したのは昨年だ。
 常連客はピタリと店についてきた。地元が誇る店だからカウンターには常連客が必ず誰か座っている、座敷の方では子供連れの家族などで賑わっている。いつ行っても雰囲気が良い。
 宣伝に力を入れるタイプの店ではないので観光で訪れる人には見つけにくい店の一つだろう。タクシーなら和風亭の先にある寿司屋と言えば間違いない。
 


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